丹波哲郎「白蝋城の妖鬼」(1957)


シネマヴェーラ丹波哲郎特集で拾い物
http://www.cinemavera.com/bc.html?mode=view&no=16
敵か味方か?せむし男に丹波哲郎
顔の左半分が崩れてて眼帯&うすら禿げ、出っ歯、こもった声、「ぐへへへへ」という感じの笑い声、ケンカは滅法強い、神出鬼没、すべてが怪しい。
主人公の若造(二枚目の扱い)は、囚われの身となったヒロインを助けに行くが役に立たない。子分と弁当のおにぎり食ってあげくお昼寝。丁度その時ヒロインはえらい目に遭ってる。山火事というヒントを無視してまでお昼寝(ちょっと前衛)。
囚われのヒロインを救出して逃がすのはせむし丹波
せむし男VS白蝋党のシーンが鳥肌。悪役・白蝋党のザコ構成員はお面と黒装束で身を固めているのでショッカーにしか見えない。そのショッカーの相手が、蟷螂拳みたく不気味に動くせむしの丹波。気が付くと異形の者だけが乱闘している。なんだこの映画。観てる時は気付かなかったけど「バットマン」みたいだ。
ラストはせむし男VSアルビノ男。主人公はここでもやっぱり使えない無能。
異形の者への偏愛、良い。

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曲谷守平監督。「九十九本目の生娘」「海女の化物屋敷」など。
もうひとつ気に入った所。最初に出てきた時はちゃんとした侍だったのに、「白蝋城の鬼が殺しにやってくる、次に殺されるのはおれなんだ」と鬱狂ってしまった人があさっての方を向きながら奇妙にハミングのシーン。この人次の登場で本当に殺されてて気の毒だった、笑ったけど。